「就業力」を育成するプログラム
東京女学館大学は「卒業成長値を高める一〇の底力」というユニークなキャリア支援教育や少人数制の特徴を活かし、学生一人ひとりを対象にした職業指導がいま、大学業界の間で注目されている。「国際的視野とリーダーシップ能力を身につけた女性の育成」が同大学の教育目標で、学生数三〇〇人規模という小規模大学の特徴を活かして、徹底した少人数の双方向・対話型授業を行っている。全体の九割の授業が学生二〇人以下で行われ、教室も一〇人×二列と教員との距離が短い、独特のレイアウトになっている。
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講義は事前にシラバスでの指示やプリントなど、参考資料を配布して、学生は事前学習で予め自分の意見をまとめて授業に参加、授業では討論や質疑を行う仕組みで徹底した対話中心の教育を行っている。「一〇の底力」プログラムは基礎から専門分野のすべての授業を通じて、社会で必要とされる基礎力を伸ばしていくという取り組みだ。春、秋の学期にそれぞれ二〇〇ほどの授業を開講しているが、そのすべての授業において担当教員に、その授業を受ければ社会人として求められるどのような能力を育成できるか、一授業につき二つの底力を選んで学生に提示してもらっている。「一〇の底力」とは「コミュニケーション能力」、「プレゼンテーション能力」、「ディスカッション能力」、「国際感覚・多文化理解能力」、「外国語運用能力」、「IT能力」、「調査能力」、「クリティカル思考」、「問題発見・提案・実行力」、「自己理解能力」で、学生は各授業で育成される底力を示したマッピング表やシラバスで、自分が学びたい分野、伸ばしたい能力を考えながら授業を選択する。一学期一五回の授業を受け、「底力」を高めているという。学期の最後の授業で学生は自分の底力がどれだけ伸びたかを自己評価する一方、授業担当教員も学生一人ひとりの「底力」の伸び具合を2点(非常に身についた)、1点(やや身についた)、0点(特に変化なし)で評価し、評価はレーダーチャート化され、そのチャートをもとに学生はアドバイザーやキャリアカウンセラーと将来の進路相談をしながら、次期の学習計画を立てる仕組みだ。入学から卒業までの四年間の成長の記録は「卒業成長値」シートとして卒業式で渡される。学生の底力を伸ばすには相当に工夫した授業を展開する必要があるわけで、教員は学外の研修会に参加したり、学生のコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を鍛えるための研修を盛んに行っている。大学は四年間で学生をどれだけ成長させたかについて保護者や学生を受け入れてくれる企業などに説明する責任があるが、この卒業成長値がその役割を果たしている。
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