「新産業・雇用創出計画」のすすめ

2011.12.23

これからの日本の雇用そして日本の経済全体にますます大きな影響をおよぼしてゆくと考えられるメガトレンドの変化のなかで、特筆されるのが日本経済をとりまく世界市場の構造変化である。この変化を「裏庭戦略」と表現した。同時に円の為替レートが日本経済の実力以上に評価されているために、日本人の生活が豊かにならず、また輸出企業の競争力が減殺されざるを得ないことを指摘したが、それに加えて、日本を含む先進諸国の「裏庭戦略」は世界的な規模で価格破壊を進展させ、内外価格のギャップを足許から一層拡大する役割を果している。

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円の為替レートが実力以上に評価されているというこの現象、いいかえればいわゆる内外価格差問題は一九八〇年代中盤以降、とりわけ一九八五年のプラザ合意につづく大幅な円の為替レートの上昇以来日本経済に定着してしまっているように見える。こうした構造問題をかかえながらも、日本経済の中で比較的生産性の高い自動車や電子、電機などの産業は懸命な合理化や海外からの調達などを組み合わせて国際競争力を維持してきたし、一方、経済全体では失業率は低く抑えられ高水準の雇用が維持されてきた。多くの先進諸国は産業が国際競争力を高めようとすれば失業が増え、完全雇用を維持しようとすればコスト負担が高まって競争力が失われるというジレンマに悩んでいたが、日本経済は多くの先進国の中でこの面ではきわめて特異な成果を維持してきたといえる。